2010年07月13日

新文芸坐原監督オールナイトに行ってきました

先日、新文芸坐にて行われた「新文芸坐×アニメスタイルセレクションVol.8 最新作『カラフル』公開記念 監督原恵一の仕事」に行ってきました。久々の原監督のオールナイトイベントということで、この日を楽しみにしていました。

カラフルチラシ表面

来場者には、最新作『カラフル』のチラシが配られたのですが、こちらは最新版のもので二つ折りになっています。表面はこれまでのとほぼ同じデザインですが、キャッチコピーが「ただいま、サヨナラした世界」になっており、またキャストとスタッフのクレジットが新たに追加されています。

カラフルチラシ見開き左 カラフルチラシ見開き右

見開きは、左ページは劇中に出てくると思われるセリフが多く書き込まれているのですが、少し離して見てみると小林真の顔が。うまく色や濃淡をつけてかなり凝ったデザインになってますね。これはすごい。右ページは作品紹介とあらすじ、そして出演される声優陣が紹介されています。早乙女くんと川沿いを歩くシーン、公園でプラプラと対面するシーンも載ってます。

カラフルチラシ裏面

そして裏面に行くと、今度はプラプラが登場するのですが、こちらは「もう一度、人生やり直してみませんか?」というキャッチコピーとともに、油絵で描かれた大胆なデザイン。同じ「カラフル」でも、表の小林真とは対照的ですね。
イベントは22時から始まり、まずは原恵一監督と、アニメスタイルの小黒祐一郎さんのトークショーから始まりました。今回上映される、『エスパー魔美 星空のダンシングドール』『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』『河童のクゥと夏休み』の4作品について、小黒さんが質問してトークする形式で進められました。(以下は原監督の発言を要約したものです。うろ覚えなので、発言の内容に間違いあるかもしれませんのであしからず…。)

『エスパー魔美 星空のダンシングドール』
「70年代のNHKの少年ドラマシリーズのイメージで作っていた。地味に作っていたので、周りからもっと派手にできないのかとよく言われた。劇場版をやることになり、初めて監督をやることになったのは嬉しかった。当時のことははっきりと覚えていないが、最初は劇場オリジナルで作ろうと自分でプロット作ったりもしていたが、なかなか決まらなかった。藤子F先生から、原作にあった人形劇団の話にしてみてはどうですかと言われ、アメリカ映画の『リリー』のレーザーディスクを貸してくれた。映画の内容は全然覚えていないけど(笑)。絵コンテを描き上げたときは、良いのができたと思った。でも、劇場で見に行ったら、観客の子供が「つまんないから外に出てるね」と言っていてショックだった。今度の『カラフル』で作画監督をやっている佐藤(雅弘)くんは、「『魔美』のように作れたらいいな」と話していた。」

『暗黒タマタマ大追跡』(今回原監督が選んだ作品)
「今までは本郷(みつる)さんが監督やっていて、自分はその中で好き勝手にやれていたが、今度は監督という立場上、『クレヨンしんちゃん』の映画として、子供も楽しめる作品にしなければという意識があった。コンテを描き終えた後、「これでいいのかな」という迷いもあったが、最近になって見返したら、自分で言うのもなんだけど面白かった。作画のスタッフに、湯浅政明や安藤真裕(『ストレンヂア』)など豪華なメンバー。結構な数のカットをやってもらった。青森から東京まで帰るシーンは末吉裕一郎さんが担当。自分も一番気に入っているシーン。」

『オトナ帝国の逆襲』
「パロディネタとかでなんとか作ってきてはいたが、そのネタもだんだん尽きてきた。興行成績も下降線を辿っていて、『ジャングル』が入らなかったら終わりだろうと思われたが、興行成績が良かったので続くことに。さすがにもうネタがなく、苦し紛れで出したのが『オトナ帝国』。明らかに『クレヨンしんちゃん』としてはダメな作品だが、「映画」としていいものが作れたという思いがあった。観客は怒るだろうと思っていたが、意外にも受け入れてくれた。今までは「枠」にとらわれて作っていたが、それにとらわれなくてもいいと気づかせてくれた。ただ、踏み越えてしまった分、もう『クレヨンしんちゃん』の劇場版は作れないと思った。結局、次の年の『戦国大合戦』もそうなってしまったので『クレしん』から離れた。」

『河童のクゥと夏休み』
「『魔美』のころから考えていた企画だったが、スポンサーの受けはあまりよくなかった。「河童」というだけで敬遠された。一目見ただけで「かわいい」と思えるデザインにはしたくなかった。見ていくうちにだんだん愛着がわいてくるようにしたかった。絵コンテもだいぶ描いてしまって3時間分くらいになった。あるライターさんから「日本アニメ史上最長のコンテ」だと言われた。本当かどうか誰か検証してもらいたい(笑)。」


そして、いよいよ最新作の『カラフル』の話題へ…。
すでに試写会も始まっているようですが、作品自体はまだ完成していないようですw
とはいえ、あとは作画のリテイクや色彩の修正ということだったので、公開までには間に合うだろうと思いますw
原監督曰く「今回はギャグなし」「むしろ予告編のほうが面白そう(笑)」だとか。
小黒「今回も(アニメらしさとは)正反対の方向に行ってますが。」
原「そうはいっても、不安になってしまう。いつものことだけど。思いをこめて描いたところがウケるとは限らない。ビクビクしてますよw」
そう不安がっていた原監督でしたが、すでに試写をご覧になった小黒さんはなんと「原監督の最高傑作」という最上級のほめ言葉!
これを聞いた原監督はやや照れくさそうに笑みを浮かべてました。

もう少し『カラフル』のお話も聞きたかったのですが、残念ながら時間が来てしまいトークショーは終了しました。そのあと、原監督はロビーに嬉しい置き土産を残してくれました。

harasign.jpg colorful_poster.jpg

kuresinyuasa.jpg dancingdoll.jpg

なんとプラプラのイラスト入りサインです!このほかロビーには、サイン入りの『カラフル』ポスターや、クレしん声優陣と湯浅政明さんのサインなども展示されてました。原監督ありがとうございます!なお原監督は、このあと現場に直行したとのこと。作品の完成、心よりお待ちしています。


トークショーのあとは、映画の上映に。『星空のダンシングドール』は一昨年の滋賀会館以来、2度目の劇場鑑賞。まさかまた劇場で見られる機会に恵まれるなんて思ってもいませんでしたね。しかし、滋賀会館と今回の新文芸坐。両方見たって人は私ぐらいのものでしょうねw

そのあとは『暗黒タマタマ』『オトナ帝国』『河童のクゥ』と続けて見ました。『暗黒タマタマ』はまともに見たのは今回が初めてでしたが、これは本当に面白かったです。全体的にはエンタメに徹してますけど、随所に原監督らしさも垣間見えて、なかなか興味深く見させていただきました。『暗黒タマタマ』については、後日改めて感想を書きたいと思います。

久々の原監督のトークイベント&オールナイトでしたが、とても楽しい一夜を過ごすことができました。欲を言えば、もう少し『カラフル』の話題が聞きたかったですね。あと、原監督を語る上では欠かせない存在であろう、盟友・茂木仁史プロデューサーにも来ていただいて、二人の秘話なども明かしてくれたらもっと面白くなったのにと思うんですが、ここは次回までのお楽しみということにしておきましょうか。


さて、すでに試写が始まっている『カラフル』ですが、試写を見た方々から好評の声が次々と上がっています。ついに『サマーウォーズ』の細田守監督も試写をご覧になったようです。

小黒祐一郎さん
Twitter / 小黒祐一郎: 試写会で原恵一監督の『カラフル』を観てきた。素晴らし ...
Twitter / 小黒祐一郎: 続き。TVスポットを観て、ファミリー向けかと思ってい ...
Twitter / 小黒祐一郎: 続き。高畑勲以来、続いてきた「アニメで映画を作る」の ...

藤津亮太さん(アニメ評論家)
Twitter / 藤津亮太: .@animesama 『カラフル』、すばらしいです ...

樋口尚文さん(映画評論家)
Twitter / 樋口尚文: 東宝試写室にて原恵一監督「colourful(カラフ ...

細田守さん
Twitter / 細田守: 原恵一監督「カラフル」!試写で観た!素晴らしい!!す ...
Twitter / 細田守: 手放しに素晴らしいと思える映画があるというのは、マジ ...

わあ、ここまで言われてしまいますと、どんどん期待値上がっちゃうじゃないですか。今作も期待を裏切らない傑作になりそうな気配。ますます楽しみになってきました。

そして、なんと映画『カラフル』のtwitter非公式アカウントも登場しました。つぶやいているのは、アニメ制作を手がけたアセンションの方のようで、最初は一個人としてつぶやいていたようですが、あまりの宣伝の少なさに業を煮やしたのか(どうか定かではありませんが)、とうとう非公式アカウントとして宣伝を始めたそうです。情報少ないと嘆いている原監督ファンのみなさん、必見ですよ~。(ただ、あくまで非公式なので、会社からストップがかかるかもしれないようですがw)

それにしても、もう少しで公開まで1ヶ月を切るというのに、公式サイトはなにやってんだ???
posted by チューシン倉 at 10:51| Comment(4) | TrackBack(0) | イベント | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
チューシン倉さん、
こんにちは。

私も新文芸座に行って来ました。

トークショーの後、原監督は製作現場に戻られて大変そうでしたが、
14日に完成披露試写会が行われたとの事ですので、いよいよ作業も終了されたのでしょうか。

Twitterでの皆さんのつぶやきを見るととても期待が高まりますね。

小黒さんが言っていたように、友人5人以上と観に行かなくては(笑)

公開が楽しみです!
Posted by 眼鏡猫 at 2010年07月15日 22:01
上京お疲れ様でした。「原監督の最高傑作」と絶賛されておられたのですか!それは楽しみですね。都内の中学校で試写がありました。東京の等々力周辺が舞台になっているとのことです。http://www.nikkansports.com/entertainment/cinema/news/f-et-tp1-20100714-653402.html

それから、主題歌をMIWAが歌います。
尾崎豊『僕が僕であるために』(イメージソング)と、THE BLUE HEARTS『青空』(エンディングテーマ)をそれぞれカバーします。
http://www.excite.co.jp/music/news/story/70083/

私は、カラフルはもしかしたらヒットするのではと思うようになりました。時かけも宣伝はほとんどなくミニシアターでしたが大ヒットしましたし。時かけと同様に中高生向けですし。
Posted by ビンクス at 2010年07月16日 00:23
眼鏡猫さん
>小黒さんが言っていたように、友人5人以上と観に行かなくては(笑)

そうですよね。みんなで見に行ったほうが盛り上がると思いますし。
でも、自分には一緒に行ってくれる友人が…(ry

>14日に完成披露試写会が行われたとの事ですので、いよいよ作業も終了されたのでしょうか。

それについては、あえて触れないでおきましょう(笑)。
そもそもあれから3日で完成するとは…(ry
Posted by チューシン倉 at 2010年07月16日 01:19
>ビンクスさん
試写会のニュースについては記事書かせていただきました。
http://harakeiichi-fan.seesaa.net/article/156468698.html

最終的にヒットするかどうかはわかりませんが、評判が広まって口コミ効果で客が入ってくれれば…と期待しています。夏の劇場アニメはジブリやピクサーだけじゃないってところを見せてほしいですね。
Posted by チューシン倉 at 2010年07月16日 01:23
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