2013年10月11日

グリソムギャング『暗黒タマタマ大追跡』上映会に行ってきました。

このところ個人的に忙しかったというのもあり、なかなかブログの更新ができませんでした。そのためずっとTwitterでの告知が中心になってしまいました。およそ2ヶ月ぶりの更新です。

毎夏恒例だったグリソムギャングの『河童のクゥと夏休み』上映会が、惜しまれながらこの夏で最後を迎えましたが、原監督とグリソムギャングで会える最後の機会ということで、先日10月5日に、グリソムギャングさよならイベントと題して『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』の上映会&トークショーが開催されました。

今回は原監督に加えまして、クレヨンしんちゃんの数々の映画でアニメーターとして活躍され、原監督が最も上手いアニメーターと認めている安藤真裕さんがゲストに来られました。安藤さんは、現在アニメ監督として『ストレンヂア』や『花咲くいろは』などを手がけており、たびたびグリソムギャングで『ストレンヂア』の上映会も行われたという縁もあって、今回の共演が実現しました。

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左から原恵一監督、安藤真裕さん


『暗黒タマタマ』の上映後、トークショーは2時間にわたって行われ、非常に中身の濃いトークになりました。

安藤さんがしんちゃんに関わり始めたのは『ブリブリ王国の秘宝』からでした。当時安藤さんはProduction I.Gに籍を置いており、I.Gがしんちゃんのグロス請けをやっていたこともあり、しんちゃんのシンプルな作画に興味を抱いたそうです。そして、原画で関わっていた荒川真嗣さんに頼み込み、しんちゃんに関わるようになりました。原監督とはこの時に初めてお会いしたとのことです。

そのときに初めて安藤さんの作画を見た原監督は、これまで見たことのないアクションの絵に大変驚いたそうで、以来彼の原画を見るのが楽しみになったといいます。一方、安藤さん自身も、仕事を通じて次第に原監督の人となりを深く知りたいと思うようになり、毎年しんちゃんの映画に参加したいと思うようになったのだそうです。

その翌年の『雲黒斎の野望』では、菜の花畑での決闘シーンを安藤さんに描いてもらうことになります。安藤さんからチャンバラが好きだということを原監督は聞いていて、絵コンテを描いたときから彼に原画をやってもらおうと思ったそうです。それを受けて、安藤さんは決闘シーンの原画を描くことになります。この当時、安藤さんは他に『攻殻機動隊』や『新世紀エヴァンゲリオン』などの仕事を抱えていたため、あまりじっくり時間をかけることはできず、「もっと上手くできたんじゃないか」「もっとこうすればよかったんじゃないか」という後悔もあったそうです。しかし、そのときにチャンバラを描いたときのワクワク感がたまらなかったようで、もう一度やってみたいと思うようになったのだそうです。それがやがて2007年の『ストレンヂア』につながっていきます。

『雲黒斎の野望』では、「しんちゃんはいらない」と思うくらい原監督は時代劇にのめり込んでいたそうですが、安藤さんは逆にしんちゃんの存在を必要と感じていたようで、『ストレンヂア』で少年と犬を出したのも、しんちゃんとシロの影響かもしれないということを話されていました。

安藤さんの作画について原監督は、安藤さんの絵には重力感があるのが魅力だと言います。人を殴るときの絵がとても痛そうに描かれたり、重厚感のある動きだったりといった、重みを持たせた安藤さんの絵に原監督は魅了されたそうです。一方、安藤さんは原監督の印象について、自分の演出に自信を持っている人で、監督として憧れる存在だと、原監督に強い信望を寄せていました。(もっとも当の原監督本人は、「内心はいつもビクビクしている」と否定的でしたがw)
原監督と安藤さんのお互いの信頼関係の強さを伺わせました。

安藤さんは2000年の『嵐を呼ぶジャングル』を最後にしんちゃんの映画から退きましたが、以降も一ファンとして、しんちゃんの映画、そして原監督の作品をご覧になったそうです。安藤さんの抜けた翌年以降の『オトナ帝国』『戦国大合戦』という傑作が生まれたことには、安藤さんは特に残念がったりすることはなく、むしろ喜んだそうです。ずっと原監督がやりたいと話されていたことが形になっていて、まさに原監督そのものとも言える映画だったと高く評価していました。

一方、原監督は『オトナ帝国』以降も安藤さんに原画をやってほしいと思って、ダメ元でオファーを出していたそうです。しんちゃんが東京タワーを駆け上るシーンも安藤さんにやってほしいと考えていたとか。しかし、そのころから安藤さんは演出の仕事をし始めており、アニメーターの仕事からは徐々に離れていました。アニメーターというのはアスリートみたいなもので、毎日のように描いていないと感覚が鈍ってしまうと安藤さんは話され、以前は描けていた線も今は思うように描けないのだそうです。結局、原監督の直々のオファーを受けても、もう当時の自分には戻れないと、とても申し訳ない気持ちでオファーを断ったそうです。それだけ原監督は、安藤さんの絵に強く思い入れていたのですね。


トークショー終了後には、参加者へのプレゼント大会が行われまして、ジャンケンで勝った人に、原監督・安藤さんのお二人のサインが描かれたチラシやステッカー、ポスターなどがプレゼントされました。プレゼントの数はそれなりに用意されていたこともあって、私はサイン入りのステッカーをもらうことができました。ステッカーの裏には、原監督直筆のしんちゃんと、安藤さん直筆のヘクソンが描かれていました。

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そしてその後はお二人のサイン会になり、今回私は原監督にはひろしを、安藤さんには私が『花咲くいろは』が好きなこともあって、主人公の松前緒花ちゃんを描いていただきました。あいにく1枚しか色紙を持ってきていなかったので、ひろしと緒花ちゃんが"共演"する形になってしまいました(笑)
安藤さんからは「本当にいいの?」を念を押されてしまいましたがw

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サイン会が終わった後は、お待ちかねの懇親会となりました。この翌日に、原監督が、『はじまりのみち』が公開される釜山国際映画祭に出席されると言うこともあって、今回は朝までとはいかず深夜0時くらいまでのお付き合いとなりました。安藤さんはとても朗らかで雄弁な方で、話がとてもわかりやすく、そして楽しく聞かせていただきました。少しだけではありましたが、私の好きな『花咲くいろは』に関するお話が聞けたのはよかったです。そして、原監督からは現在進めている次回作のヒントを聞き出すことができました。でも、さすがにここでは話すことはできません。ごめんなさい。
ただ、新作が見られるのはそう遠い話ではない雰囲気でしたので、楽しみに待っててくださいね。


こうしてグリソムギャングでは最後となる原監督作品の上映会&懇親会は終了しました。しかしながら、原監督と直に話せる機会は今後も残していきたいということで、来年に向けて別の場所での『河童のクゥ』上映会開催の計画が進んでいるようです。そんな機会が残るというのは大変嬉しいことです。まだ詳細は決まっていないようですが、そのときもぜひ参加させていただきたいと思います。

グリソムギャングには、2011年秋の『オトナ帝国』上映会のときに初めて参加して、以降『河童のクゥ』に2回、そして今回と、計4回参加させていただきました。原監督やスタッフ・キャストのみなさんと直に、たっぷりお話できたのもそうですが、私と同じ原監督ファンの皆様方とお会いできたことも大変嬉しかったです。そんな楽しい場を与えてくださったグリソムギャングの皆様には大変感謝しております。ありがとうございました。そして10年以上にわたっての営業、本当にお疲れさまでした。

   
posted by チューシン倉 at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | 更新情報をチェックする
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