2015年03月01日

シネマスコーレ「モーレツ! 原恵一映画祭」に行ってきました

2月21日に「モーレツ! 原恵一映画祭」と題して『オトナ帝国』の上映会と、原監督のトークショーが、名古屋のシネマスコーレにて行われました。このイベントを企画したのは、いつもグリソムギャングの『河童のクゥ』上映会などでお世話になっているフォロワーさんということもあり、また東京よりもぐっと近い名古屋で行われるということもあり、今回参加いたしました。

名古屋駅から歩いてわずか数分にあるシネマスコーレは、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』『キャタピラー』で知られる故・若松孝二監督が立ち上げたことで知られるミニシアターで、個性的な作品を多く上映しており、地元の映画ファンに広く親しまれている映画館です。

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そのシネマスコーレの向かいには、「cafeスコーレ」という映画パンフレットやグッズ、ドリンクなどを販売しているスペースがあるのですが、今日に限ってはしんちゃんが占拠(笑)

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中に入ってみますと、そこには原監督の過去作品のパンフレットやロビーカード、ビデオ、関連書籍などが展示されていました。パンフレットは、劇場デビュー作の『エスパー魔美 星空のダンシングドール』のものから揃えていて、非常に懐かしく感じられました。

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そして展示物の中にはこんなものも。

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なんと原監督に加えて、『おおかみこどもの雨と雪』の細田守監督、『のぼうの城』などの樋口真嗣監督のサインも入った『はじまりのみち』のパンフレットです。これは以前に『はじまりのみち』の試写会と合わせて行われたお三方のトークイベントのニコ生視聴者プレゼントだったのですが、それを当てたのが、今回このイベントを企画したフォロワーさんだったということで、今回お披露目となったわけです。

19時になり『オトナ帝国』の上映が開始されました。今回は、若い女性から中高年の方まで幅広い層の観客が訪れ、改めて『オトナ帝国』の人気の幅広さを思い知らされました。上映が始まると、場内一体となって笑ったり泣いたりと、しんちゃんの映画でここまで大人たちが感情豊かに反応する光景は新鮮に見えました。改めて最高のエンターテイメント映画だと実感しました。

『オトナ帝国』の上映が終了すると、いよいよ原監督のトークショーが始まりました。
原監督はなんとチョコビを持って登場(笑)
しかも、この日は夕方まで呑んでいたらしく、早くもテンションが上がっていて上機嫌なご様子でした。ここまで上機嫌な原監督を見たのは初めてのような気がします。そんな和やかな雰囲気でトークショーが始まりました。

■『オトナ帝国』を作った経緯
クレしん映画5作目の『暗黒タマタマ大追跡』から10作目の『戦国大合戦』まで監督を務めていた原監督でしたが、手がけた当時は興行収入がどんどん下がっていった時期で、『温泉わくわく大決戦』のときに底をつき、いよいよクレしん映画も打ち切りかというところでした。そこで、予算を抑えて公開時期を短くして、もう1本作ってみようということになり『嵐を呼ぶジャングル』が作られたのでした。原監督はそれまでの作品では、自分の趣味に寄りすぎていたところがあり、今度は子供をちゃんと楽しませようという方向で作ったのだそうです。そしたら興行収入が上向き、来年も作るという話になって「もうネタがない」と当時原監督は困ったそうです。

そしてちょうど2001年という21世紀を迎える年ということもあって、ふと大阪万博のことを原監督は振り返ったそうです。原監督は大阪万博には1回行ったのですが、あまりの行列に見たかったところは見られず、ほろ苦い思いをされたそうです。また同世代の人にその話をすると、みんな同じように悔しい思いをしていて、それだけで1時間ぐらい盛り上がったのだそうです。そんな悔しい思いを形にできないかと思って、テレビで1本懐かしさをテーマにしたお話を作ったのですが、それでも物足りなさを感じ、ついに映画のテーマにしようと思い至ったのでした。

■『オトナ帝国』を作ったときの周囲の反応
そうして『オトナ帝国』を作り始めたのですが、制作当初は物語の結末は考えておらず、まずは万博の資料をかき集めて、冒頭の万博のシーンを描き進めていきました。これには現場の若いスタッフからは「なぜそこまで丁寧にやるんですか」とドン引きだったようで、それに対して原監督は「うるせえ、やりたいからやるんだよ」と一蹴したとか(笑)
そうして映画はできあがったのですが、試写を見た年配のお偉方には評判が悪く、中には「こんな不愉快な映画は初めてだ」とまで言う人もいたとか。しかし原監督は、しんちゃんの映画としては外れるかもしれないが、映画としては自分の満足いくものが作れたと確信し、これでしんちゃんをクビになっても構わないと思ったそうです。そして、映画を観たお客さんが意外にもこの映画を受け入れてくれ、制作当初はドン引きだった若いスタッフたちもこの映画を褒めてくれたそうです。
さらに「不愉快な映画だ」と言ってたお偉方のプロデューサーが、二回目見たら「意外と良かった」と手のひらを返してきたそうで(笑)

ちなみに、原監督はそのプロデューサーと長年お仕事をされてたそうなのですが・・・その彼に対するコメントがあまりにも過激すぎて場内は大爆笑。さすがにここに書くのはマズイので伏せておきます(笑)

■ケンとチャコのキャスティングについて
それまでのクレしん映画の、いかにもデフォルメされた悪役とは違い、カリスマ性のある印象的な悪役だったケンとチャコ。ケンは津嘉山正種さん、チャコは小林愛さんが演じていたのですが、この二人を起用した経緯について、まず津嘉山さんは『ボディーガード』の吹替えが凄く良かったということでお願いしたそうです。そして小林愛さんのほうは、しんちゃんの演出だった人が演出をされていた『∀ガンダム』を見た際に、彼女が出演されており、その声の生々しさに惹かれ、チャコ役に起用したのでした。もともとは舞台女優ということもあって、『オトナ帝国』のアフレコの際には、他の声優さんからは「小林愛って誰?」という反応があったのですが、これを見た原監督は「驚くなよ…見とけお前ら」とほくそ笑んでいたそうです(笑)
小林愛さんは翌年の『戦国大合戦』にも廉姫役で出演されました。

そしてトークでは新作の『百日紅』についても触れられました。

■『百日紅~Miss HOKUSAI~』について
前作は『はじまりのみち』で初の実写を手がけ、そこから久々のアニメ新作となりましたが、実写はリアルタイムで映画が出来上がっていくのに対し、アニメは作業がチマチマしていて作るのに時間がかかるゆえぶ、最初は絵コンテを描くのにうんざりしてほとんど筆が進まなかったとか。しかし最終的には、原監督自身も大変満足のいく作品になり早く見せたいとおっしゃってました。また、ちょうど昨日は、主演の杏さんのアフレコが無事終了したそうで、その演技の素晴らしさにも満足されたようです。杏さんは着物を着てアフレコに挑んだそうで、その出で立ちには原監督もゾッコン。杏さんを起用しようと決めたのは原監督でしたが、起用した自分を褒めてやりたいと自画自賛していました(笑)

また、この時点では共演者の発表は解禁されていなかったので、それに関する話はありませんでしたが、代わりに原監督作品にはお馴染みの、あの声優さんが友情出演されることが原監督の口から明かされました。その声優とは、まあ皆さんおおよそ察しがつきますよね(笑)

こうして笑いあり危険なトークも飛び出したりと楽しいトークショーは終了しました。

そのあとサイン会が行われたのち、原監督を囲んでの懇親会が行われました。あまりの参加人数の多さに、今回は特別にシネマスコーレさんが懇親会場として使わせていただくことになり、お菓子をつまみながら原監督と談笑するかたちの懇親会となりました。あまり名古屋に来られる機会が少ないだけあって、参加者の皆さん一人一人、原監督とお話しできる貴重な機会を濃密に楽しんでおられたご様子でした。残念ながら劇場の都合で懇親会は1時間ほどでお開きとなりましたが、明るく楽しいひとときを過ごすことができました。

こうして大盛況のうちに「第1回モーレツ! 原恵一映画祭」は終了しました。

さて、そのあとは映画祭の打ち上げがあり、私も末席で参加させていただきました。打ち上げでは、『カラフル』の意外なオーディション秘話が聞けたり、トークショー以上に過激な話が飛び出したりと、非常に貴重で面白いお話をたっぷり伺うことができました。さすがにここでは書けない話ばかりでしたが。しかし何よりも印象的だったのは、新作『百日紅』に対する原監督の自信の大きさでした。「ハードルを上げてもらっても構わない」とまで言い切るほど自信たっぷりな原監督を見たのは初めてのような気がします。『百日紅』ますます期待が高まりました。早く動く映像が見たいですね。

というわけで、本当に楽しいひとときだった「モーレツ! 原恵一映画祭」ですが、今回は第1回ということで、第2回の開催も企画中とのことです。原監督も次回も来られるということなので、今回参加できなかった皆さんは、ぜひ次回をお楽しみください。

原監督、楽しい時間を本当にありがとうございました。

※映画祭のレポートはこちらにも書かれています。こちらもぜひご覧ください。
気が狂いそうなんだよ!『モーレツ!原恵一映画祭』 | シネマカラーズ
第1回 モーレツ!原恵一映画祭in名古屋 無事閉幕!|モーレツ!原恵一映画祭in名古屋のブログ


【おまけ】
今回配布された小冊子と『百日紅』のチラシ。小冊子には原監督からの直筆メッセージが書かれていました。(サインはサイン会で書いてもらったものです。)

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今回の映画祭用に作られたポスター。協力のところに、当ブログの名前が入っていて本当に恐縮です…。

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posted by チューシン倉 at 01:25| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | 更新情報をチェックする
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