2017年06月23日

新文芸坐×アニメスタイル 原恵一監督オールナイト上映に行ってきました

先日6月17日に、池袋新文芸坐にて行われた「新文芸坐×アニメスタイルオールナイト」の原恵一監督作品のオールナイト上映に行ってきました。今回上映されたのは、『百日紅~Miss HOKUSAI~』『河童のクゥと夏休み』『カラフル』のクレしん以降の監督作品の3本です。原監督が新文芸坐に登場するのは、昨年の9月17日のオールナイト上映以来となります。

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当日は、モーレツ! 原恵一映画祭in名古屋の方々も上京され、ご一緒にイベント開始前に、原監督に挨拶に伺うことができました。前回同様、ハイボール持参で新文芸坐に来られていて、 楽屋ではすでにほろ酔い気分でゆっくりされておりました(笑)
そんな監督の姿を見て、今年もモーレツ! 原恵一映画祭in名古屋が盛り上がるよう決意を新たにした次第です。

そしてイベント開始。今回も原監督はハイボール片手に壇上に上がられ、司会のアニメ様こと小黒祐一郎さんとのトークから始まりました。

■『河童のクゥ』の製作
『戦国大合戦』以降、 業界では原監督が作品を作れておらず、そのまま消えてしまうのではないかという噂が立っていたようで、それを聞いた丸山正雄さん(当時マッドハウス社長・現MAPPA代表取締役会長)が小黒さんを通じて、マッドハウスで新作を作らないかと誘っていたそうです。そのころ、原監督は『河童のクゥ』の製作に取り掛かっていたのですが、もし『河童のクゥ』が実現していなかったら、マッドハウスと原監督との組み合わせもありえたかもしれません。

その『河童のクゥ』の製作にあたりパイロットフィルムを作って、いろんなところへ出資してもらおうと営業に行っていたのですが、「金の匂いがしない」と反応が冷ややかだったと言います。それでも、藤子作品や『クレヨンしんちゃん』といった国民的人気作品の監督というキャリアから離れて『河童のクゥ』を作らないと、次のステップに進めないと感じ、粘り強く作品と向き合っていったのでした。

当初、『河童のクゥ』のコンテは3時間以上の尺があり、周囲を驚かせたのですが、それからどんどん尺を削られ、絵が出来上がっていたシーンもシーンもカットされるなど辛い思いをされたそうです。気がつけば、家までの帰る間、ずっと足元しか見ないぐらいに落ち込んだのだとか。そのあと帰宅してから、自身の好きなデヴィッド・リーン監督の『アラビアのロレンス』を大音量でかけて「4時間の映画だってあるんだ!!」と気を紛らわせていたのだそうです(笑)

■藤子・F・不二雄作品への思い
そんな『河童のクゥ』のベースとなったものは、原監督が敬愛する藤子・F・不二雄先生の作品であることに他なりません。トークでは藤子F作品に対する思いを熱く語ってくれていました。

シンエイ動画にいた頃は、藤子アニメを作っていると周囲の業界人に話すと、馬鹿にされたと言います。原監督の中では、藤子F先生の存在は大きく、それだけに馬鹿にされるのは許せなく、いつもF先生を見下した同業者を見返してやりたいと思ったそうです。『河童のクゥ』も、そんな藤子F先生の作品のように、非日常が日常に溶け込んで何が起きるのかをリアリティに描きたいというのが根底にあったそうです。

それだけに、「見た目は胡散臭い(笑)」(原監督談)けど、『ドラえもん』を面白いとアニメ雑誌で紹介してくれた小黒さんには大変恩義を感じているようです。当時、取材に訪れたとき、小黒さんは「編集部特派記者」と名乗って原監督のもとに訪れていたのですが、Tシャツ姿で見るからに胡散臭く見えたそうで、さらに小黒さんが『ドラえもん』番組内でのブリッジアニメのことを聞いたとき、「何なんですか、アナタは!?」と気持ち悪がったとか(笑)

原監督は、当時の藤子F先生の不遇さを嘆いていたのと同時に、自分の根幹を築いたものを大事にすることの大切さを語ってくれました。最初から自分を天才だと思って、何かを軽んじたり正当に評価しないような人はどんどん消えていくのだと。原監督の作品づくりへの信念というものを覗けたように思います。

■藤原啓治さんの復帰について
奇しくも、このイベントの数日前に、野原ひろし役でおなじみの藤原啓治さんの仕事復帰が発表され、その話題を小黒さんが振ってくれました。一度新文芸坐の壇上で、藤原啓治さんとともに飲み交わしたり、阿佐ヶ谷ロフトでも藤原さんと飲み会をやるほど仲の良い二人でしたが、その藤原さんの復帰について「シャバに戻ってくるようで良かった」と原監督も大喜び。自分に正直な藤原さんのことは人間としても大好きとのことで、早くも次回作ではどんな役を藤原さんにやらせようかと考えておられました。藤原さんの声が久々に聞ける日を楽しみにしています!そして体調が全快したら、原監督と藤原さんの飲み会第2弾を楽しみにお待ちしています!

■次回作について
そして気になる原監督の次回作は来年公開予定で「“楽しい”作品になると思います」とのこと。さすがに詳細までは漏らしてはくれませんでしたが、どう私達を楽しませてくれるのか注目ですね。続報を楽しみにお待ちしています。

トーク終了後は、『百日紅~Miss HOKUSAI~』『河童のクゥと夏休み』『カラフル』の順番でオールナイトの上映が行われました。3作品とも劇場での鑑賞は久々でしたが、新文芸坐の音響がとても良くて、作品の世界をより体感できたように思いますね。また、今回初見だという方も多く、観客の反応も非常によかったのが印象的でした。中でも『河童のクゥ』は要所要所で場内どっと笑いが起きていたのが素晴らしかったですね。これでまたさらに多くの人に、面白さが伝わってくれるととても嬉しいです。

原監督、小黒祐一郎さん、新文芸坐さん。
そして、オールナイトに来ていただいた皆さん、本当にありがとうございました!

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posted by チューシン倉 at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント | 更新情報をチェックする
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