2017年08月02日

藤棚シネマ商店街『カラフル』上映会&トークイベント(シネマノヴェチェント)に行ってきました

今年2017年は『河童のクゥと夏休み』が公開されてからちょうど10年という記念すべき年です!気がつけばもうそんなに経ってしまったんですねえ。

その間、川崎のグリソムギャングで『河童のクゥ』のイベントが定期的に行われるようになり、2015年からは場所を横浜・藤棚のシネマノヴェチェントに移し、今や同窓会的イベントとして毎夏恒例の楽しみになりました。

そんな『河童のクゥ』10周年を盛り上げようと、今年はシネマノヴェチェントさんが特別に、地元・藤棚商店街を巻き込み、「藤棚シネマ商店街」の企画の一環として、原監督作品の特集上映を大々的に開催してくれたのです!

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その皮切りとして、まずシネマノヴェチェントで『カラフル』の上映が行われ、7月17日(月)には音楽の大谷幸さん、22日(土)には、『河童のクゥ』でもお馴染み美術監督の中村隆さん も招いてのトークショーと、原監督のお誕生日会と称した懇親会が開催されました。今回、私は22日(土)のほうに参加してきました。

『カラフル』の劇場での鑑賞は、先月の新文芸坐オールナイト以来でしたが、リアルな背景美術と情感に訴えかける演出が見事で今回も感動しました。そしてその感動の余韻が残るなか、原監督と中村隆美術監督のトークが行われました。

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●サンライズ・内田社長との関係
『カラフル』はサンライズの内田社長からオファーを受けた企画でした。原監督はサンライズとはずっと縁がないものとばかり思っていただけに、内田社長がサンライズらしからぬ作品を自分にオファーを出してくれたのは嬉しかったといいます。それゆえ『カラフル』は、まず第一に内田社長が喜んでくれる作品にしたいと考えたそうです。作品製作にあたって、内田社長が絡んできた部分はキャラクターデザインだったといいます。サンライズには キャラクター開発というセクションがあり、販売戦略上、キャラクターデザインを最も重要視しているのだとか。これまでアニメーターやキャラクターデザインには無頓着だった原監督も、これには驚いたそうです。そのサンライズの内田社長からの提案で、キャラクターデザインを山形厚史さんにやっていただくことになったのでした。

実際に完成した作品を見た内田社長は「自分にはもったいない作品を作ってくれた」と大絶賛されたそうで、原監督もホッとしたそうです。


●中村隆さんとの関係
中村隆さんとは『エスパー魔美』の劇場版からの付き合いだと言います。といっても、中村さんはその作品では背景のリテイクに関わった程度で、最初に出会ったのはその打ち上げのときだったそうです。しかし、美術監督を務めていた古谷彰さんが、夜桜のシーンを担当したスタッフと紹介し、原監督はそれを真に受けて、長年中村さんがやったものだと信じ込んでいたそうです(笑)
その後『雲黒斎の野望』で中村さんは美術監督を務め、その中村さんの背景美術を見て、原監督は『河童のクゥ』をやるならこの人にやってもらいたいと思ったそうです。

『カラフル』で一番大変だったのは、終盤の学校の屋上のシーンで、このシーンはマジックアワーにしたいと原監督から要求されたシーンでした。原監督は最初は5段階くらいを想定していたのですが、そこを中村さんは1カットごとに微妙に色を変えていったのでした。マジックアワーを違和感なく見せていくには、そうしないいけないと判断してのことでした。しかし1カットごとに色を変えた結果、キャラクターの色もカットごとに変えなければならなくなり色彩設計の人が余計に大変なことになったとか。


●靴屋「ごめんそうろう」のデザイン
司会の箕輪さん(シネマノヴェチェント支配人)からは、劇中に登場した靴屋の「ごめんそうろう」の話題が振られました。「ごめんそうろう」は元々原作に登場する靴屋で、実際にあるものではないのですが、演出助手の人に、モデルとなりそうなお店を探して写真を撮ってもらい、イメージを作ってもらったそうです。

この「ごめんそうろう」が登場するシーンの作画は、数々の劇場アニメで活躍されている松本憲生さんが担当されたのですが、通常は店に展示されている靴を背景で描いてもらうところを、松本さんはなんとわざわざ一足ずつ手描きで描いてきたといいます。さすがに描き直してもらうわけにもいかず、このまま使ったのですが、おかげで靴を一足ずつ色指定しなければならない羽目に・・・。


●『カラフル』で大変だったシーン
劇中で大変だったのは、物を食べるシーンだったそうで、食べる作画はアクションよりも描くのが大変だといいます。原監督は、終盤の、母親がよそった鍋を受け入れて食べるシーンを一つのクライマックスと考え、真っ向から食事のシーンを描こうと考えたそうです。そのラストから逆算して、食事のシーンを丁寧に積み重ねて描いていったのでした。箕輪さんは、コンビニで、早乙女くんが肉まんを分けようとしたとき、多い分を真にあげたシーンが印象的だったといい、中学生同士のかけがえのない友情と、原監督の優しさが込められていると評していたのが印象的でした。

この他、原監督からは、打ち合わせがやたら多い最近の制作現場やら、時間を守らない制作進行への愚痴も飛び出し、聞いているこっちがヒヤヒヤさせられました(笑)
具体的な内容は伏せますが、実際に聞いてみると、個人的に実生活でも思い当たる節があったので、それはそれで勉強にはなりました(笑)

そして今回は、7月24日が原監督のお誕生日ということで、お誕生日ケーキが用意されました。
原監督、お誕生日おめでとうございます!

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トークのあとには、プレゼント大会が行われたのですが、なんとこの日のために、中村隆さんが、劇中に登場する真の絵のミニチュアを作ってくださり、5名限定でプレゼントされました。 実際に、現物を見せてもらいましたが、実に精密に作られていてビックリしました。(残念ながら私は貰えませんでしたが。)

そのあと、サイン会が行われ、私は『カラフル』のBlu-rayにサインをしてもらいました。

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トークショーが終わったのち、お楽しみの懇親会となりましたが、この日は原監督はお疲れモードだったようで、懇親会が始まって1時間で帰られてしまいました。あとで中村さんに聞いたところ、前日が原監督の尊敬する杉浦日向子さんの命日だったということで、夜まで杉浦さんを偲んで呑んでいたのだとか。それを聞いて、原監督の杉浦さんに対する思いの深さを 少しばかり感じたように思います。

そのあとは、中村さんから貴重なお話をたっぷり聞かせていただき、今回は22時くらいでお開きとなりました。
正直、一晩明かすぐらい語り合いたい気分でしたね。
原監督、中村隆さん、楽しいひとときをありがとうございました!

とはいえ、まだまだ楽しみは続きます。この翌週には 『温泉わくわく大決戦』が映画にちなんで、なんと藤棚の銭湯で上映が行われたのです。
その模様は後日お伝えします。

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posted by チューシン倉 at 01:04| Comment(0) | イベント | 更新情報をチェックする
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