2008年09月13日
遠野巡礼記(3) 曲がり家編
遠野には「曲がり家」のある観光施設がたくさんあり、「河童」と並んで観光の目玉の一つとなってます。
「曲がり家」について簡単に説明しますと、馬屋と母屋が一つになった家と言っていいです。L字型の構造となっていて、左側が「馬屋」、右が「母屋」になっています。 どのへんが曲がっているのかは見ていただければわかるでしょう。ちょうど馬屋と母屋の境目辺りで直角に曲がっているのです。
「曲がり家」は、馬もまたその家の一員であるという考えから生み出されたそうで、「馬屋」と「母屋」を一緒にすることによって、馬に何かが起こってもすぐに駆けつけたり、馬を外敵から守るといった利点があったそうです。
最初の写真の曲がり家は、遠野ふるさと村にあったものです。遠野ふるさと村は、昔の農村を再現した観光施設で、お手玉や竹とんぼなど昔の玩具を作って遊んだり、そばうちや陶器作りなど農村の暮らしを体験できます。いわば、農村版「オトナ帝国」といったところでしょうか(笑) これらの体験プログラムは予約が必要で、別途料金がかかります。
村内の曲がり家には実際に入ることができます。中は静けさの漂う雰囲気で、歩くたびに床が軋みます。今にも座敷わらしが出てきそうな雰囲気です。
曲がり家の中には、実際に馬が飼われているところもあります。ここにいた馬の名前は「りん」ちゃんと呼ばれていて、NHKの朝の連続テレビ小説『どんど晴れ』にも出演していたそうです。ドラマのロケもこのふるさと村で行なわれました。
そして、こちらは・・・
あっ、見えてはいけないものが・・・
大変お見苦しいものを見せてしまって申し訳ありません。
というわけで、
これならなんとか大丈夫ですねwww
なんていう冗談はさておき、このワラ人形は豊作を祈って行なわれる祭りに使われたものだそうです。このほかにもかつての農村で使われていた農具などが展示・保存されています。
また、ふるさと村ではこんなものもありました。
ご存知、ハイジのブランコですwww
何年ぶりかブランコに乗りましたよ。
つづいては伝承園です。伝承園はカッパ淵の近くにあり、だいたい歩いて5分くらいのところです。ここにも数々の「曲がり家」があります。
伝承園の入り口では、クゥちゃんが出迎えてくれます。そして園内には、遠野市のイメージキャラクター「カリンちゃん」もいました。カリンちゃんはここだけではなく、いろんなところに出没するようです。ここに来る前には、自転車に乗っているカリンちゃんの姿を目撃しましたが・・・。
伝承園の曲がり家「菊池家住宅」は国の重要文化財に指定されており、当時の農家の調度品・民具などが展示されています。そして離れの建物、「御蚕神堂」には千体オシラサマが展示されていて、ここでは願いを書いた布をオシラサマに着せることができます。
オシラサマ伝説については、ここに来る前に語り部館で話を聞いたのですが、これについてはまた次回お伝えします。この伝承園には食堂があるのですが、そこには・・・
『河童のクゥ』の名場面集がずらりと並んでいました。伝承園さん、ありがとうございます!!みなさんも遠野へお越しの際はぜひ伝承園へw
三つ目はたかむろ水光園です。ここは温泉にも入れるほか、宿泊もできる施設ですが、庭園の見学のみも可能です。曲がり家は庭園にあり、家の前には大きな池があります。
最後は南部曲がり家千葉家です。この千葉家の曲がり家は、今から200年ほど前、ちょうど江戸時代の後期に建てられたもので、昨年2007年の12月に国の重要文化財に指定されました。現在も住居として使われているそうです。この曲がり家は小高い丘の中腹に石垣を築いて建てられたので、そこから見下ろす街の眺望はなかなかのものです。
この曲がり家は163坪もある広いもので、内部には千葉家に代々伝わる瀬戸物や漆器などが展示・保存されています。馬屋の様子も見ることができます。千葉家は、映画『遠野物語』(1982年)のロケも行なわれたそうで、『遠野物語』のポスターや写真なども展示されていました。
次回は遠野の昔話を探ります。
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