2017年11月12日

原監督次回作は初の王道ファンタジー!~第30回東京国際映画祭『クレヨンしんちゃん モーレツ!オトナ帝国の逆襲』上映~

10月27日(金)には、原監督の出世作となった『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』が上映されました。残念ながら平日の昼間という時間帯だったため、あいにく観に行けず。TOHOシネマズ六本木ヒルズ最大の7番スクリーンでの上映だったたけに、大画面で見ることができず本当に残念でした。しかも、新作のイメージボード初公開という、大きなおまけ付きで尚更悔しい…。

その代わり、上映後のトークショーの動画がアップされていました (11月9日現在) ので、トークショーの雰囲気をうかがい知ることができました。これは本当にありがたい!いつまで見られるかは不明なので、皆さんお早めの視聴をオススメします。



今回の対談相手は、原監督と親交の深い、映画監督の樋口真嗣監督(『シン・ゴジラ』)。樋口監督と原監督の出会いのきっかけは、『オトナ帝国』を観た樋口監督が、共通の知り合いであった中島かずきさんを通じて、原監督に会いたいと言って、3人でお会いしたのが始まりだそうです。樋口監督は『ガメラ3』と同年に公開された『温泉わくわく大決戦』を、『ガメラ3』のプロデューサーから薦められて観たところ、好き放題やっているなあという印象を受けたそうです。その後、『オトナ帝国』を観た樋口監督は、当時文化庁メディア芸術祭の審査員を務めており、審査員の誰もが『オトナ帝国』を観ていなかったことに激怒したそうです。

原監督は、これまでのクレしん映画は、なんとなく何かのパロディという意識で作っていたのが、この『オトナ帝国』で初めて、何の真似でもない一本の映画として作品を作り上げたという実感があったそうです。いつものおバカな戦いがあって野原一家が勝利するという展開を考えていたのが、『オトナ帝国』については悪役に感情移入しすぎてしまい、いつものような結末が描けなくなって悩んだそうです。それをやったら、しんちゃんでは無くなってしまうという自覚はあったものの、映画としてはこう作ったほうが良いだろうと大きく一歩踏み出したのです。原監督は、出資者もお客さんも皆怒るだろうと予想しており、実際に試写の際、会社の御偉方は戸惑っており、当時のテレ朝映画部長の「(原監督曰く)バカ野郎(※)」からは「こんな不愉快な映画は初めて観た」と言われたそうです。
(※筆者註・・・原監督のいう「バカ野郎」とは、『エスパー魔美』の頃から原監督を散々困らせてきたK・J氏のこと。本名知りたければググってね(笑))

しかし、その御偉方の反応とは裏腹に、お客さんは大変喜んでおり、そのことが原監督にとっても驚きだったようで、それまで形を決めて作りすぎていたのが、そうじゃない映画でも、クレしん映画としてお客さんは楽しんでくれるということに初めて気づかされたといいます。

樋口監督は、こういったキャラクターものの映画には、いろんな人や企業の思惑が絡み、好き勝手は許されないところもあるのではという指摘をすると、原監督は元々「クレヨンしんちゃん」は誰も期待しておらず、すぐに終わるはずの企画だったといいます。放送開始当時、監督を務めた本郷みつるさんは、現場は楽に作れる作品にしようと、妙なテクニックは使わず、紙芝居的な、演出的にも簡単で、楽に作ってかつ面白いものを目指したのです。現場的にはあまりやりがいのない仕事だったのですが、オンエアが始まった途端に、どんどん人気が出て社会現象にまでなり、ついに映画まで作ることになり、みんな困ったそうです。そして、しんちゃんの好きなアクション仮面をフィーチャーして1本映画を作るところから突破口が開けたといいます。樋口監督は、しんちゃんを始めとする野原一家の属性はいじってはいけないけど、そこに絡むゲストに関しては何をやってもいいという、発想の自由度が高いからこそ、『オトナ帝国』という傑作が生まれる素地ができたのではと評していました。

『オトナ帝国』が生まれるきっかけになったのは、スタッフ間での雑談で大阪万博の話になり、当時11歳だった原監督は、「21世紀はこうなる」というテーマがもとになる大阪万博に物凄く憧れ、母親に連れられてツアーで万博に行ったのですが、そのツアーが1日目万博、2日目京都という旅程だったため、1日しか万博が見られず、しかも人気のパビリオンは行列で入れず、結局小さい国の空いたパビリオンぐらいしか見られなくてモヤモヤした気分で帰ったことを話すと、同世代がみな同じような経験をしていて話が盛り上がり、これはネタにできると思い、テレビシリーズで1本、春日部に懐かしいものを体験できるテーマパークができた話を書いたのでした。しかし、こんなものでは物足りないと思って、それで映画のネタにしたと言います。

原監督は、万博の時に見た21世紀の未来像の中で、想像以上の進化を遂げたのは携帯電話のみだったという話をすると、樋口さんは「それを目の当たりにしているのに、なんでケータイ未だに持たないんですか!」とツッコミ。樋口監督曰く、基本的に飲みの誘いはFAXで、FAXで日時決めて送って、それをFAXで返すというやりとりをしているそうです。それに対し原監督は「それで何か不都合でもあるのか」と相変わらずのマイペースぶりでした。

そして、ついに待望の新作のイメージボードがお披露目となりました。


描かれているのは、異世界への入口(?)に、少女が自転車を押しながら入っていくと思しきシーン。現実世界から異世界に行って、少女がいろんな体験をするという冒険ファンタジーで、 原監督にとっては初めての本格的ファンタジーになります。

現在絵コンテを描きつつ、作画作業も並行して進めており、それなりに順調に進んでいるとのこと。また、イメージボードを描かれたのは、今回の「映画監督 原恵一の世界」のビジュアルポスターを描かれた方と同じ方で、非常に才能があり、お互いインスパイアしながら仕事をされているそうです。公開時期・タイトルは未定ですが、来年には完成予定。人間の関係性や、ユーモア、シリアスな展開、アクションなどの要素も盛り込み、原監督の今までの作品の中でも、一番大サービスした娯楽映画とのことで大変期待したいところです。

ストーリー・キャラデザ・制作スタジオなど気になることは山ほどありますが、今後の続報に注目しましょう!

【ニュース記事】
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【Twitterまとめ】
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posted by チューシン倉 at 16:43| Comment(0) | イベント | 更新情報をチェックする
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